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Cascade Shower / 伴美里

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久しぶりに、あるアーティストさんの個展を観に行きました。
以前、金沢に旅行に行った際にたまたま翠川を散歩中にふらっと入った、
石田屋で"「Hakusanensis」白山の花12か月 テキスタイルと原画展"と題し
展示していた伴美里さんの東京での個展"Cascade Shower"です。

たまたまという偶然でのこの方の展示を拝見し、
その洗練された色使いや絵の構成などに共感し東京で
展示がある際は行ってみたいと思っていました。

場所は、下北沢の Gallery Source 。
まず、Gallery の中に入る前に目に飛び込んできたのは
扉の左右に吊るされたピンクの綺麗なカーテン。
中に電球(ツリーとか飾るような)が入っていてキラキラしていて、
少し風が入るとカーテンがユラユラ揺れていてとても素敵なんです。
これは、Gallery 側が吊るしていたものだと思っていたんですが、
(とても Gallery の雰囲気に合っていたので)
伴美里さんが今回の"Cascade Shower"のテーマである滝をイメージし
飾ったものだと知りました。
絵の展示だけでなく、全体の雰囲気も考慮しつつ構成された展示の仕方が
私にとって参考すべき点だなぁと感じました。

絵の方は、私が以前見たテキスタイルの絵とはまた違うテイストの絵でした。
特に幅でいうと2メートルくらいあるのかな?の特大楕円パネルに圧倒されました。
因みにその楕円パネルは伴さんの手で作ったものと聞き、またまたビックリです。
私は普通のパネルですらキャンバス生地をまともに張れないのに、
楕円という形で、どう張っているのか終始気になってしまいました。

DM に書いてあった、
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私たちが日々浴びている、変化へのひとつぶ

CASCADE SHOWER (宇宙から降り注ぐ放射線がしぶきのようになる現象)を
CASCADE(滝)の水しぶきのイメージと重ね合わせ、
「浄化への願い」をペインティングやドローイングなどで表現します。
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と書かれてる通り、今回の絵は滝がメインに描かれてる絵自体に
水しぶきのように放った色とりどりの点が全体をより美しく見せている。
色がふんだんに使われてる分、滝を白くしたことがより滝の絵を引立たせ、
全体の絵の中で浮き出てる様だった。

絵はもちろんのこと、
伴美里さん自身もとても、素敵な方なんです。
強い意志と絵に対する想いが話から凄く伝わってきます。
因みに、何故今回このようなテーマにしたかというと、
展示する場所、下北沢の人の流れから考えられたそうです。
ギャラリーが決まった上でテーマを考え、この展示に至ったことこそが
素晴らしいです。
伴美里さんと話してると見習う点が多くとても勉強になりました。
実際、私が展示をする話をすると真剣に相談に乗ってもらい、
今後の絵に対して気をつけなきゃいけない点を再認識出来ました。
いい刺激になった個展でした*
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by broochstar | 2008-02-04 21:35 | 鑑賞

世界はときどき美しい/麦の穂をゆらす風

雪が降りましたね。
やっぱり、雪って好きです。
東京のごみごみした雰囲気を一変させてくれる気がします。

だけど、外がかなり寒いってのが分かったので、
家で DVD 観賞しました。

今回見たのは、
"世界はときどき美しい"
"麦の穂をゆらす風"です。

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"世界はときどき美しい"は
第19回東京国際映画祭「日本映画・ある視点」部門公式出品作品
第24回マイアミ国際映画祭コンペティション部門公式出品作品
第16回フィラデルフィア映画祭公式出品
第9回バルセロナ・アジア映画祭コンペティション部門公式出品作品
東京国際ファンタスティック映画祭2003
デジタルショートアワード600秒 招待作品
日本映画としては珍しく出品されていますね。
たしかに他の映画とは違う魅力を感じる作品です。
ただそれだけに、好き嫌い分れます。私はどっち付かずな感じかな…。
短編の作品で構成されていて、
日々の生活の中での生きることの切なさが
霊性に満ちた儚い映像で綴られています。
全編8mmフィルムという独特の撮影方法で、
少し粗い映像がより映画を惹きたてている。

ドローイングを黒田従太郎さんが手がけていてストーリーに華を添えています。
私は黒田さんが個人的に好きだったので見たかった理由の一つです。
あらゆる技法が現実となった挑戦的な要素が映画全編に垣間みられます。
世界はときどき美しいという名のもとに繰り広げられる作品は短編で5章構成になっています。まず目を見張るのは第1章かな。
物語は違えども松田美由紀と松田龍平親子が出演してるとこも見所です。
ストーリーごとに映像の撮り方が違うので面白いけど、この特殊な断片的な映像が苦手にも思うかもしれません。
入り込めないと薄っぺらい記憶で終わってしまいそうな映画かも。
見た後に学生の時に映像やってる人に頼まれて出演した自主制作映画の撮り方を思い出しました。懐かしい・・
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"麦の穂をゆらす風"は
第59回 カンヌ国際映画祭 パルムドール受賞作品です。

監督は社会派の映画を撮る事で名が知られているケン・ローチ監督。
他の映画でもそうだけど、今回の映画でも存分に過酷な現場で
少しの希望を求める現実を存分に見さしてもらいました。

映画の背景となったのは1920年、アイルランドの町コーク。
医師を目指すデミアンは解剖学を5年学び、
ようやくロンドンでの病院での仕事が決まり、アイルランドを離れようとする。
けれど列車に乗り込もうとするホームで、
デミアンの気持ちを大きく変える光景を目の当りにし、
IRA のメンバーとなりゲリラ戦に身を投じる所から一気に物語に深みを増していく。
この映画は主に、アイルランド独立戦争とその後のアイルランド内戦を背景に、
価値観の違いから対立することになる兄弟を描いた悲劇の映画になっています。
英国軍の幾度となる残虐な暴力を阻止しようと立ち上がるが、
友人の死や裏切った者への死、家族への仕打ち、結果的に対立した兄弟の
最悪な結末。戦争が巻き起こした悲しい物語。
テロリストと呼ばれてしまう行為かもしれないけど、
義勇軍が設立されていなければ、少しの希望も求められなかったかもしれない。
内戦は、アイルランドを愛してこその戦争故に辛い現実。
この戦争がゲリラ戦であること、そして住民の支援があったからこそ英国
という巨大な敵を相手に志願兵たちが立ち上がることができたのは
今回の脚本で特に女性が果たした役割が重要で欠かせない部分となっている。
殆ど救いようの無い、見た後に心に残る作品でした。
主演のデミアンを演じたキリアン・マーフィーは"プルートで朝食を"を
思い出しますが、意外と心に残ってるのは"パニックフライト"です(笑
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by broochstar | 2008-02-04 21:26 | 鑑賞

天然コケッコー

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ようやく観ました!
だって、脚本に渡辺あやさん、音楽にレイ・ハラカミ、
最後に主題歌がくるりときたらもう観るしかありません!
脚本家の渡辺あやさんは、
映画館で観た"メゾン・ド・ヒミコ"からのファンです。
"メゾン・ド・ヒミコ"ももちろんのこと"ジョゼと虎と魚たち"からしても
これからの活躍に期待大です。
そして、音楽!
あのゆったりとした風景にレイ・ハラカミの音楽がまたしっくり
きちゃうんですよね。音が弾けるような感じが子供の笑顔みたいで。
すーっとストーリーに入り込める。
最後にくるりの曲をもってきたところも、
全体のストーリーを見た上でのあの曲がまた凄く良い。
まだこの映画が終わらないでほしいと思わせるようだった。
実際、もっと天然コケッコーの世界に浸っていたかったなー。

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後夏帆ちゃん可愛すぎる。
個人的に可愛い女の子が大好きな私にとって、こんなにコケッコーが良く
見えたのは夏帆ちゃんの可愛さあってこそってのも一理あります。
だって、ストーリーの設定もそうだけど凄く初々しいですもん(笑
因みに、岡田くん(ポッキーのCMに出てます)もかなりかっこいいです(笑










映画自体は"誰も知らない"や"茶の味"のような感じが少し混じってるような、
映像の撮り方が凄く退きで撮ってるからか、人と自然が一体化していて、
日々の日常の一コマを切り取ったように思える。
だから、登場する子供たちの声が遠くの方でひそひそ聞こえたり、
メインで話してる周りで近所の人の話し声も聞こえちゃうみたいな。
終始、耳を澄まして映画を見入ってました。
そうするといろんな声が聞こえるんです(鳥や葉が揺れる音、風の音)
目を見張るような映画は、見た後に見疲れしちゃうけど、
この映画は終わった後に気持ちがいい。凄く幸せな気持ちになれました。

それと、映画のあるシーンで思い出したんですが、
偶々、似た様な感覚を今日感じたんです。
お昼、外に出たら快晴で真っ青な空で、
調度ビルの合間を歩いてたら強い風が吹き付けて来たんです。
それが、とても気持ちがよくって。
そしたら、その風がお昼のいい匂いも運んでくれたんです。
お昼の匂いってありません?
何ていうか・・お昼ってどこの家も昼食の準備をするから
食べ物の美味しい匂いとぽかぽかした温かい雰囲気というか・・
前にもこんな感じあったなって思って、考えたら
中学校の頃にある土曜日の日に自転車での帰り道、
気持ちいい風を感じながら、お昼の匂いをよく感じてたなぁーって思い出したんです。
何かうまく伝えられないんですけど、懐かしく思えてしまって。
嬉しかったんです。
東京で実家を思い出す一コマって少ないので・・・

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原作:くらもちふさこ(集英社)
監督:山下敦弘(リンダリンダリンダ)
脚本:渡辺あや(メゾン・ド・ヒミコ)(ジョゼと虎と魚たち)
製作:『天然コケッコー』制作委員会
配給:アスミック・ユース
音楽: Rei harakami
主題歌 :くるり"言葉はさんかく こころは四角"
キャスト:夏帆 / 岡田将生 / 夏川結衣 / 佐藤浩市 …
公式ホームページ
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by broochstar | 2008-02-02 02:18 | 鑑賞

Magonia

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DVD を手に取り"マゴニア"?
・・・何か聞いたことある名前だなぁと思って借りてみました。

因みに・・・
イスタンブール国際映画祭 最優秀映画賞(ゴールデン・チューリップ)受賞
ボゴダ国際映画祭 最優秀映画賞受賞
トロイア国際映画祭 新人部門 審査員特別賞 受賞
に輝いています。
ミニシアターものが好きな人には分かる世界感のある作品です。

最初に、何故"マゴニア"に聞き覚えがあったかというと、
この"マゴニア"というのは、
不運が空から降ってくる前に一時的に留まる場所、架空の国であり、
船の形をしているとも言われている古くからヨーロッパに伝わる想像上の
世界と言われています。
私は、前にポール・トーマス・アンダーソン監督による
"マグノリア"を観たことがあったので、
その時にタイトルを調べて分かったのが"マゴニア"のお話でした。
タイトルの由来は後から思い出したので、観てる間は知らずに観たんですが、
知らないで観て良かったです。きっと知ってた上で見てたら、
見方が変わったかもしれないので。
そこだけ切り抜かれて他に何も存在しない様な背景や、
部分的に細かな設定がなかったりなど具体的に表そうとしないからこそ、
この物語の架空の世界観を気持ちよく感じることが出来る。
全体的にこの映画で注目したいのが、美しい背景かもしれない。
映像の撮り方が気持ちがいい。
ぜひ大画面で観たかった!空の映し方とか凄く綺麗。

この映画は架空の世界だからといって、可愛い世界がそこにあるのではなく、
希望、絶望、死、旅立ち、現実、愛など様々な事柄を示唆に富む物語になっていて、
この映画の最大の鍵は"希望"という言葉なのかもしれない。
一番、気になってた言葉で、最後にようやくこの言葉の意味を理解しました。
この作品の主人公はひとりの少年と父親。少年は毎週、船に乗り、
父親に会いに行く。海岸の砂浜でたいていは凧を揚げながら、
父親は息子に物語を語りだす所から始まる。
そして映画では父親を訪ねるたびに3つの独立した物語を語ったものが
再現されていく。物語自体は単体でもなんとなく分かるが、
最後に物語自体がまとまってようやくこの映画が理解出来る。
私は途中まで、タイトルの由来も分からなかったので、
どんな設定で進んでいってるのか分からず、
ただ映像の美しさを感じながら見ていた感じだった。
2つ目の物語までは、のんびりした内容が続きます。
3つ目の物語で目を見張る場面があるけど・・・。
全体の物語の設定はだいたい理解できたが、
最後のシーンはちょっと・・・まだ謎?何故?って感じな部分が残ってしまいました。
因みに、この3つの物語の中では最初の
"祈りの時間を告げる歌を歌う老人の物語"が好きです。
青年の歌声が素敵です。

3つの架空の場所である"マゴニア"での物語、
映像、物語共に本当に美しい作品だと思います。
映像の美しさだけ見ても損はないはずです。多分・・
それと、3つの物語がそれぞれ繋がってるであろう部分を思い返して、
自分なりに解釈しないと謎が残って分からないままになってしまいそうになるので、
自分なりにこの映画を理解していった方が良さそうです。
2つ目の物語で何故、あの家にイルクヌールの写真があったのか、など。
人によっては、好き嫌いあると思う作品なので、
他のファンタジー映画と同じ様な期待はしないで観た方がいいと思います。
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by broochstar | 2008-02-01 01:31 | 鑑賞