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世界はときどき美しい/麦の穂をゆらす風

雪が降りましたね。
やっぱり、雪って好きです。
東京のごみごみした雰囲気を一変させてくれる気がします。

だけど、外がかなり寒いってのが分かったので、
家で DVD 観賞しました。

今回見たのは、
"世界はときどき美しい"
"麦の穂をゆらす風"です。

世界はときどき美しい/麦の穂をゆらす風_d0121183_2119768.jpg
"世界はときどき美しい"は
第19回東京国際映画祭「日本映画・ある視点」部門公式出品作品
第24回マイアミ国際映画祭コンペティション部門公式出品作品
第16回フィラデルフィア映画祭公式出品
第9回バルセロナ・アジア映画祭コンペティション部門公式出品作品
東京国際ファンタスティック映画祭2003
デジタルショートアワード600秒 招待作品
日本映画としては珍しく出品されていますね。
たしかに他の映画とは違う魅力を感じる作品です。
ただそれだけに、好き嫌い分れます。私はどっち付かずな感じかな…。
短編の作品で構成されていて、
日々の生活の中での生きることの切なさが
霊性に満ちた儚い映像で綴られています。
全編8mmフィルムという独特の撮影方法で、
少し粗い映像がより映画を惹きたてている。

ドローイングを黒田従太郎さんが手がけていてストーリーに華を添えています。
私は黒田さんが個人的に好きだったので見たかった理由の一つです。
あらゆる技法が現実となった挑戦的な要素が映画全編に垣間みられます。
世界はときどき美しいという名のもとに繰り広げられる作品は短編で5章構成になっています。まず目を見張るのは第1章かな。
物語は違えども松田美由紀と松田龍平親子が出演してるとこも見所です。
ストーリーごとに映像の撮り方が違うので面白いけど、この特殊な断片的な映像が苦手にも思うかもしれません。
入り込めないと薄っぺらい記憶で終わってしまいそうな映画かも。
見た後に学生の時に映像やってる人に頼まれて出演した自主制作映画の撮り方を思い出しました。懐かしい・・
世界はときどき美しい/麦の穂をゆらす風_d0121183_21181883.jpg

"麦の穂をゆらす風"は
第59回 カンヌ国際映画祭 パルムドール受賞作品です。

監督は社会派の映画を撮る事で名が知られているケン・ローチ監督。
他の映画でもそうだけど、今回の映画でも存分に過酷な現場で
少しの希望を求める現実を存分に見さしてもらいました。

映画の背景となったのは1920年、アイルランドの町コーク。
医師を目指すデミアンは解剖学を5年学び、
ようやくロンドンでの病院での仕事が決まり、アイルランドを離れようとする。
けれど列車に乗り込もうとするホームで、
デミアンの気持ちを大きく変える光景を目の当りにし、
IRA のメンバーとなりゲリラ戦に身を投じる所から一気に物語に深みを増していく。
この映画は主に、アイルランド独立戦争とその後のアイルランド内戦を背景に、
価値観の違いから対立することになる兄弟を描いた悲劇の映画になっています。
英国軍の幾度となる残虐な暴力を阻止しようと立ち上がるが、
友人の死や裏切った者への死、家族への仕打ち、結果的に対立した兄弟の
最悪な結末。戦争が巻き起こした悲しい物語。
テロリストと呼ばれてしまう行為かもしれないけど、
義勇軍が設立されていなければ、少しの希望も求められなかったかもしれない。
内戦は、アイルランドを愛してこその戦争故に辛い現実。
この戦争がゲリラ戦であること、そして住民の支援があったからこそ英国
という巨大な敵を相手に志願兵たちが立ち上がることができたのは
今回の脚本で特に女性が果たした役割が重要で欠かせない部分となっている。
殆ど救いようの無い、見た後に心に残る作品でした。
主演のデミアンを演じたキリアン・マーフィーは"プルートで朝食を"を
思い出しますが、意外と心に残ってるのは"パニックフライト"です(笑
by broochstar | 2008-02-04 21:26 | 鑑賞
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